子育てをふり返って思うこと
大学卒業後、幼稚園教諭として勤務しましたが、
第一子が生まれた時「自分の子どもは自分で育てよう。」と思って退職。
保育のプロなんだから、子育てはもう100点満点!
・・・なんてことは、絶対ないです!!!!!
同学年の子どもの集団で保育する事と、一人で子育てをする事には大きな違いがあります。
子ども達にとって、決していい母親ではなかったなぁ…。
と自己嫌悪に陥ったり、「いい加減な親の方が、子どもはラーッキだったかも。」
と開き直ったり(^^;
遠い昔のことになりますが、ちょっと振り返ってみようと思います。
乳児期
初めての子育ての時は不安がいっぱいでした。
乳児期は、そばにいる親と強い信頼関係を結び始めようとする時期なので
できるだけそばにいることを心がけました。
でも、頑張れば頑張るほど、上手くいかなかったり、落ち込んだりすることも。
そう! 育児書通りになんか行くわけないんです。
「でも、大丈夫。子どもが1歳になったら、お母さんだって親になって1歳だもの。
子どもと一緒に成長していけばいいや。」と開き直り...。
こういうところが、いい加減(^^;
子育て1年生のお母さんに伝えたいこと。
初めから「立派なお母さん」はいませんよ。
育児書に振り回されないでね。
ひとりで悩みを抱え込まないで、周りの人に助けを求めてください。
地域には、子育てをサポートしてくれる場所もあるし
相談にのってくれる先輩お母さんもたくさんいるはずです。
肩の力を抜いて、たまにはいい加減なお母さんでいいと思いますよ。
愛情をたっぷり注いでさえいれば、赤ちゃんだって
きっとお母さんが大好きになってくれますから...。
幼児期
長男はおとなしく「石橋を叩いて、叩いて石橋を壊してしまう」ような性格。
それにひきかえ、長女は「橋がなくても、跳ぶ!」ような性格でした。
同じ環境で育てているのに、こんなにも違うものか・・・と思い、「比べるのは辞めよう。」「子どもをそれぞれ人格をもっているのだから、
一人の人間として尊重して接していこう。」と決めました。
まず、子どもの思いをしっかり聞いてあげて、一番の理解者であることを大切に。
次に、命にかかわるような危険なことだけは絶対「ダメ!」だとわからせること。
そして、できるだけ子どもの力でできるように、見守って待つこと。
なかでも、3番目の「見守りって待つこと。」これが一番難しい。。。
どうしても手を出してしまうんですよね。
育児書通りになんかできるわけないんです。
でも、忙しさを理由に子どもときちんと向き合っていない時は、子どもが必ずSOSを送ってきます。
それは、きわめて自然なことなのでぎゅっと抱きしめて顔を見て話を聞いてあげました。
大好きなお母さんに抱きしめられて、聞いてもらえるだけで癒やされているのだと思います。
本当に子どもに教えられることがいっぱいありました。
「子育て」ではなく、「子育ち」「親育ち」です。
「親も子どもと一緒に育っていけばいい!」そう思います。
学童期
子どもは「愛されている」「認められている」「必要とされている」と感じられる環境で育つと、自己肯定感が高って自分らしくしっかり生きていくことができる。と思います。
大事なのは、単に甘やかすのではなく、親が世間体やプライドにとらわれず、子どもを守ってあげる事。
長男には、大きな声で怒ったことはほとんどありませんでした。
反抗期もなく、よく言えば育てやすい子どもでしたが、「実は私が気が付いていないだけだったかもしれない。」と反省しています。
きっと、私にはわからないように我慢していたんじゃないかな。
長女に目を向けることが多かった時期に、「この子はもう大丈夫。」だと思い込んでちゃんと向き合ってあげることができなくて、猛反省をしています。
「ちゃんと寄り添って気持ちを分かってあげられなくて、本当にごめんね。」
でも、そんなダメな私の代わりに彼を救ってくれたのは友達だったと思います。
自分以外の人との関わりによって性格や考え方が作られ、人格が形成されると言われていますが、長男の場合、友達や先生との出会いに恵まれた気がします。
以前は「もうちょっと自信を持って意思決定ができるようになってほしい。」と思っていましたが、部活動を通して最後までやり通すことで達成感を感じ、その達成感が次の意欲にも繋がっていったように思います。
子どもの性格は生まれ育った環境によって作られ、人との出会いによって人間を成長させていくような気がします。
長女は小さいころから体を動かすことが好きだったので、スポーツ一筋に打ち込んできました。
幼いころから年上の友達や大人の世界の中で生きてきたので、人との出会いから様々なことを学んだのでしょう。
理不尽に思うことも多々あったようで、学校だけでは学べない体験が、娘の人格形成に影響したのか、小学生のころから妙に大人びた考え方でした。
だから、私も娘とは早くから一人の人間として同等に向かい合ってきた気がします。
いっぱい頑張ったね。
いっぱい泣いたね。
いっぱい悩んだね。
でも「一緒に夢を見させてくれてありがとう。」
育てたように子どもは育つ
結局、子どもは育てたように育っていきます。
ふたりの子ども達はそれぞれ自らの選んだ道に進み、また新しい家庭を築き始めていますが、
私の方が子ども達に教えられることの方が多かったように思います。
子育てをふり返って
「結果、いい加減な方が子どもにとってはラッキーだったかも。」なんて、またいい加減なことをつぶやいているダメダメ母さんです。
でも、これだけは言わせてね。
私を、お母さんにしてくれてありがとう。
私が子育て中に心の糧にしてきた本の1冊に「育てたように子は育つ」という本があります。
相田みつを氏のたくさんの言葉の名から、佐々木先生が実践者の立場で厳選された「親と子のためのことばの本」です。
子どものことに悩んでいる若いお父さんやお母さんに是非読んでもらいたい本です。
もし、孫が生まれたら真っ先に薦めたいと思っています。