陶器と磁器の違って?
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器には大きく分けて、陶器と磁器があって、一番大きな違いは「原料」
簡単に言うと、陶器は、粘土から作られていて「土もの」と呼ばれる器で厚みがあるもの。磁器は、陶器よりガラス質を多く含むので、薄くて叩いたらチンチンと音がする器って感じかな。普段使ってる多くの洋食器は磁器ね。
陶器
原料:陶土(粘土)
特徴:磁器よりも柔らかく水を吸収する。料理や飲み物が冷めにくく、あたたかみのある印象
見分け方:鈍い音がする。光を通さない
磁器
原料:陶石という岩石を細かく砕いたもの
特徴:表面がツルツルしていてガラス質のような滑らかさ。洗練されている印象
見分け方:叩くと金属のような音がする。光を通す
陶器と磁器の違い
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陶 器 | 磁 器 |
自然原料である陶器用粘土から作られていて「土もの」と呼ばれる。土の成分によって色の出方が異なるため、これが土地土地の焼きものの個性になる。 | 陶器よりガラス質(長石・珪石)を多く含む。 白色粘土にガラス質の長石、珪石 (けいせき) を加えたものや、陶石を素材にして作られる。 |
焼成温度は600~900度くらいの低温。 | 焼成温度は1100~1300度くらいの高温。 |
叩くと鈍い音がする。 | 指で軽く弾くと「チン」と高い音がする。 |
ガラス量(長石・珪石)が少ないので光を通さない | ガラス量(長石・珪石)が多いので光を通す |
10%近く吸水率を持つ事もある | 吸水率が0% |
磁器より鉄分が多く含まれるので色が付く | 鉄分の少ない原料を選択して使うので白い |
釉薬は色釉が主体。化粧土をかけて白くしてから色を付ける場合もある。 | 釉薬は透明釉。素地の色は基本白で、その白さを生かし、鮮やかな色絵が施される。 |
磁器より肉厚で透明感がない。 | 陶器より厚みが薄く透明感がある。 |
穴ぼこのおかげで、器の中にお湯を入れても、手で持って飲める。 | 薄い上に熱が早く伝わるので手で持てない。 |
高台がざらざらとした質感のものが多い。産地特有の土の色。 | 高台が白い。 |
美濃焼・信楽焼・瀬戸焼・唐津焼・常滑焼・萩焼など | 有田焼(伊万里焼)・九谷焼・砥部焼・波佐見焼など |
電子レンジ・食洗器にも対応しない場合が多い。 | 電子レンジ・食洗器にも対応。 |
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でも、陶器の中にも、撥水加工済みのうつわや一部の粉引きのうつわは目止めをしなくてもいいというものがあるので、使う前に説明書をよく読んでね。
初めて使う前に、米のとぎ汁で「目止め」をしましょう
陶器や陶器と磁器を混ぜた半磁器にはこのお手入れは不要のものが多いのですが、陶器や貫入(ヒビ)のうつわには「目止め」が必要になります。
陶器には無数の小さな穴が開いていて、貫入のヒビは吸水性があります。
ここから食材の汚れや汁気や油が染み込むと、変色や臭いやカビの原因になります。
それを予防するためには、一番初めに使う前に目止めのが効果的です。
米のとぎ汁などで表面をコーティングすることで、器が吸収したとぎ汁のデンプン質が表面の貫入をふさぎ、器に侵入しようとする「染み」を防いだり、ひび割れがしにくくなったりします。
必ずやらなくてはならないものではありませんが、器を長持ちさせるためにはしておいた方が望ましいと思います。
それでは、さっそく「目止め」をしてみましょう。
用意するもの
器が浸かるサイズの鍋
米のとぎ汁(なければ水とお米)
目止めの手順
鍋底に白い無地のきれいな布巾を敷き、その上に軽く洗ったを器入れ、米のとぎ汁を器がかぶるぐらい入れます。
とぎ汁がない場合はお米を入れるか、小麦粉か片栗粉を大さじ1~2杯ほど入れて使ってもOK。
-注意-
・鍋は油汚れ等をよく洗ってから使いましょう。シミや汚れの原因となります。
・器は伏せずに上向きに鍋に入れてください。
・器を重ねて行う場合は、器の間にキッチンペーパーなどを挟んで器同士のぶつからないようにしましょう。
土ものは衝撃に弱いものが多いので、作業中に傷つけないよう注意しましょう。
弱火から中火で沸騰させた後、沸き立たせないように弱火で15~20分ほど煮沸します。
※沸き立たせると、鍋底や食器同士がぶつかり、割れる恐れがあるので注意しましょう。
火を止めた後は、そのまま器をつけたまま冷まします。冷めたら器を取り出して十分に乾かします。
※長時間浸けたままにしておくと、器が必要以上に水分を吸収してしまうので、火傷しないぐらいの温度になったら取り出しましょう。
器を取り出しよく洗い、乾いた布で拭きしっかりと自然乾燥させます。
※ 破損の恐れがあるので、熱い器を急冷しないように注意しましょう。
IH調理器を使用する場合の注意点
IH調理器の加熱方法では、鍋に直接器を置くと器の一部分が熱せられ、器の中での温度差が生じやすくなるので、温度差によるひずみが生まれ、破損してしまう場合があります。
IH調理器を使用する場合は、鍋底に白無地のタオルなどを畳んで置き、鍋底と器の間に3cmくらいの空間をつくります。そして、その上に器を置いていきます。
水が対流しやすくなる鍋底と器の間に空間をつくることで、鍋の中で水が対流しやすくなり、器の一部分の熱せられることを防ぐことができます。
手順はガスコンロを使う場合と同じです。
大きい器の場合
器が入るサイズの鍋がない場合は、用意した米のとぎ汁を別のお鍋で温め、洗い桶などの容器にゆっくり注ぎ、その中に器を浸します。
とぎ汁が冷めたら、器を洗って乾燥させましょう。
一度で目が埋まらない時は、何度か作業を繰り返し行ってください。
料理を盛りつける前のひと手間
陶器は吸水性があり、乾いている状態で料理を盛り付けると、汁気を吸いやすくなるのでシミの原因になります。
使う前に流水にさらすなど器に水分を馴染ませて、軽く拭きとってから使うと、煮汁や油が染み込みにくくなります。
食洗機、レンジ・オーブンの使用は?
陶器は欠けやすいものが多いので食器洗浄機は使用しない方が無難です。
電子レンジにはあたため程度なら使用できるものもありますが、急激な温度変化に弱いので、器を傷めてしまうかもしれません。
オーブンも同様に、陶器には向かないことが多いです。
器によって使い方や注意点が異なる場合があるので、レンジや食器洗浄機、オーブンなどに対応しているか事前に確認しておくことが大切です。
土鍋は、鍋の底が濡れたままで火にかけたり、高温状態のときに急に冷たい水を入れたりすると温度変化によりヒビが入ってしまうことがあるので、注意したいですね。
使い終わった後のお手入れ
陶器は、長時間においの強い料理や色の濃い食材を盛り付けておくと、器ににおいや色が移ってしまうことがあるので、使った後の汚れは早めに落としましょう。
傷がつかないように柔らかなスポンジで洗い、しっかりとすすぎましょう。
洗浄後はよく乾燥させてから保管してください。湿気が残っているとカビや匂いの原因になります。
カビは取り除くことは難しいので、何より予防が大切です。
それには、しっかりと器を乾燥させることです。
陶器は表面が乾いたように見えても水分を含んでいることがあるので、器同士が重ならないよう底を上にして、空気が通るように工夫してしっかり乾燥させましょう。
さらに、器と器の間にキッチンペーパーなどを挟むことで、傷がつきにくい上に、器に残っていた微量の水分を吸ってくれます。
粉引の器は、吸水性が高いので水を含ませただけで、シミのようなものが現れることがありますが、器の芯までしっかり乾かすと消えていきます。
また、不安定な重ね方で食器棚に収納すると食器に負担がかかりヒビや欠けの原因となってしまうので、同じ材質や似た形で重ねるような工夫をするといいと思います。
ここまで書くと、「陶器って大変~!」と思ってしまいますが、お気に入りの器を長く愛用するためにも、それぞれの器に合ったメンテナンスを行いたですね。
もし、カビが出てきてしまったときは?
食品の洗い残しが原因で器の表面に黒い点々が出てきてしまったら…。
もしカビが出てきてしまった時には、器を洗って熱湯で消毒します。
それでも取れないときには薄めた漂白剤に浸し、しっかりすすいだあと天日干しで乾燥させます。
まとめ
繊細な陶器を長持ちさせて楽しむには、お手入れに少しコツがいりますが、手間をかけた分だけ自然と愛着も深まっていきます。
1.使い初めに「目止め」をしましょう。
2.使う前に流水にさらすなど器に水分を馴染ませて、軽くふき取ってから盛り付けましょう。
3.使った後の汚れは早めに落として、洗浄後はよく乾燥させてから保管しましょう。
ちょっとしたひと手間で器を長持ちさせるだけでなく、手間をかけた分だけ良い味わいの見た目に育ちます。
うつわの基礎知識に始まり、どのようなうつわがあるのか、どのようなうつわを選べばいいのか、どのように組み合わせればいいのか、どのような料理に使えばいいのか、そのコツやアイデアを100以上の実例写真を通して紹介されています。
大好きな食器やキッチン用品の紹介をしています。